私は大のカレー嫌いです。いや、でした。
ニンジン、玉ねぎ、じゃがいも、他の料理に含まれている時は全く問題ないのに、カレーに入っているだけで、もうイヤ。
何のことは無い、カレー(辛いもの)が駄目だったんです。
私の子供の頃の実家のカレールーは100%辛口。
私を除く家族全員が辛い物好き。一味を入れてさらに辛くする人も。
だからカレーの日は、ルーを入れる前の一部の具材を別の鍋に移し、私だけシチューにしてくれた母。
そんな気遣いに今でも感謝しています。
料理の仕方は小・中学校の家庭科の授業で習うだけでなく、母に教わったり、ボーイスカウトのキャンプ等で覚えたり。
レシピや調理順序など、作り方を心得ていましたが、大学1年時の1月22日(カレーの日)まで、好んで食べることは勿論、人のために作ることはありませんでした。
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2限目の授業が終わり、学友と学食へ。
カレーの日当日ということもあり、皆注文するのはカレーがほとんど。
カフェテリア形式のカレーコーナーがいつにも増して行列ができていました。
カレー嫌いも拍車をかけて、学友皆がカレーを注文する中で私だけ中華丼。
学友の1人が私のカレー嫌いに気づいたようで。
その学友はカレー好きで、当日の夕食もカレーにする予定とのこと。
私に合うカレーを知っているという学友のお誘いを受け、5限目が終わり、目的のカレーハウスへ。
インド人が経営するカレーハウスで、エキゾチックな雰囲気のある店内でした。
はじめてのカレー専門店、メニューを見てビックリ。
カレーの種類が20種類もあり、どれを選んでよいのか全く分からない。
私を誘った学友は私の好みを確認しながら、チョイスをアドバイス。
「キーマ?」
見聞きなれないカタカナが目に入り、学友に確認。
食べやすそうだったので、ベジタブルキーマを選択。
更に問題の辛さについてもビックリ。
「超甘、、、砂糖でも入ってるんか?」
(記憶の限りでは、「激甘」ではなかったはず。)
シェフ曰く、カレー以外の辛い香辛料は一切使わず、他の香辛料を使ってマイルドに仕上げた、微かな辛さも苦手だったり、お子様向けの辛さとのこと。
であるならばと、超甘ベジタブルキーマカレーを注文しました。
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暫くして注文したカレーが目の前に。
カレー会に参加した学友達が注目する中、スプーンですくったカレーを、ライスに付けずに、おそるおそる一口パクリ。
(´~`)モグモグ、Σ(๑ °꒳° ๑)ビクッᵎᵎ、少し遅れ、ウ,ウマ━━━Ψ(°д°;!)━━━!!
顔文字に慣れていないので伝わりにくいと思いますが、野菜類が程よい歯ごたえで、硬すぎず、柔らかすぎず、お肉もそぼろ状の挽肉なので、食べやすい。
何より辛くないカレー、専門店だけに苦学生にはお高めでしたが、お代わりしちゃいました。^^
緊急事態にと傍に用意していた冷水は食べ終わるまで全く不要でした。
食べ終わってから、お代わりのお礼を伝えにシェフが席に来ました。
辛い物が苦手なことを話したら、トマトとワインを使ったカレーを勧められました。
それ以来カレーを作る機会が増えました。
勿論トマトを使ったキーマカレーです。^^;
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学生時代に作ったカレーのレシピは、
- ルー(バーモントカレー甘口だったはず、1箱の半分)
- トマト缶(ホールトマトかカットトマト、1缶丸まる)
- 挽肉(豚のみ、または牛との合い挽き、600g)
- 月桂樹(無くても問題なし、実家では必ず入れていた)
- 料理酒(無くても問題なし、肉の臭みを飛ばす程度)
- 塩コショウ(無くても良いけど、無いと私には物足りなかった)
シェフのお勧めの通り、ワインを使いたかったのですが、料理酒があったので代用しました。
肉の灰汁取りや具材を長時間煮込む等手間暇をかけず、
- 鍋に油を敷き、挽肉と料理酒を投入
- 挽肉と料理酒を絡めつつ、赤身が無くなり、アルコールが飛ぶまで炒める
- トマト缶を入れ(ホールトマトなら潰し)、塩コショウと月桂樹を投入
- かき混ぜた後、沸騰するまで煮込む
- 火を消し、ルーを投入後、溶かしながらかき混ぜて、出来上がり
慣れると15分弱、何度作ったか分からない位作っていたな~、本当に懐かしい~^^
大量に作っても、冷めたら鍋ごと冷蔵庫へ。
鍋の冷めた残りのカレーは、カレー皿へ食べる分だけスプーンで移し、ラップ掛けてチン。
チーズを入れてとろけるまでチンしても美味しく頂けました。
下宿先の近所に、私が「苦学生スーパー」と勝手に呼んでいた、生鮮食料品を扱うディスカウントスーパーがありました。
ルー、トマト缶、挽肉をまとめて買っても500円強。
そのため学生時代に作った大半の料理はトマトキーマカレーでした。
冬場は体を温めるためにも都合が良かったです。
カレーに誘ってくれた学友、カレーハウスのシェフには大変感謝。
下宿中の3年間、苦学生スーパーにも助けられて、本当にありがとうございました。
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社会人になってから大分経ち、そんな学生時代の話を生前の祖父に。
是非食べてみたいとのことで、田舎でも作ることに。
シェフのお勧めを覚えていたので、祖母が愛飲していたワインを少々拝借。
料理酒は使わず、トマト缶と一緒にワインも投入。
あとは学生時代と同じレシピと要領で作りました。
トマトと挽肉の入った見慣れないカレーに驚きながらも一口パクリ。
「へ~、美味いね~!」と笑みを浮かべた祖父の表情を見てほっと一息。
ワインを入れたのは初めてだったので、私も一口パクリ。
もっと早くに挑戦すれば良かった、、、好みやワインの種類・状態、調理の仕方にもよると思いますが、料理酒ではなくワインを選んだ方が美味しかったです。
墓前に行くたびに、学生時代と祖父の笑みを思いだします。
もっと早くに話しておけば良かった、、、何度も作って、沢山食べてもらいたかった。。。
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甘口のルーしか使えなかった頃が懐かしく、歳を追うごとに辛さが物足りなくなり、中辛、辛口、と次第に辛さが増していく。
今では辛口ルーで作っても、辛くて食べられないと思う程の辛さと感じなくなってしまいました。
それでも実家の辛さのレベルには、いまだについていけません。
私が独立してから、実家の辛さは徐々にレベルアップ。
先日久方ぶりに頂いた実家カレー、私だけ3口でノックアウトでした。
汗だらだらで唇と舌が暫く痛かった、、、みんな体壊さないでね。